見返りを求めず、自分の子どもに教えるような育成方針。

──現在の業務内容と、課長としての役割を教えてください。
オフィスビル向けなどの用地を探しておられる企業様と、土地オーナー様をマッチングする営業を主に行っています。課長としての役割はマネージャーの補佐役として、6名ほどのメンバーのサポートや新人育成などを担当。具体的には、営業先に新人を同行し、OJTでイチからレクチャーをしています。仕事の流れや営業の仕方などはもちろんのこと、現場を注意深く観察することが大切なので、たとえば、「この草の生え方であれば、どれくらい放置されている土地か?」といった技術的なことも、伝えるようにしています。あとは、マネージャーをサポートする事務作業や、メンバーたちからの相談を受けることも重要なミッションです。
──メンバーの育成で大変なことや、やりがいはどんなときに感じますか?
大変なのは「伝わらないもどかしさ」を感じるときです。これは、振り返ると「私が教えてもらう立場のときも、同じように思われていたことがあるんだろうな」と思います(笑)。マネージャーからのアドバイスで、「そのメンバーのために、何をしてあげられるのかを考えて指導する」「見返りを求めず、自分の子どものように教える」というやり方を、意識して取り組んでいます。楽しさは、「高橋さんに相談したいです」と頼られたときですね。たくさんの人がいる中で、自分を選んでくれたと思うと、うれしい気持ちになります。そのため、どんなに忙しくても手を止めて話を聞くようにしています。また、普段から声をかけやすいように、あまり「忙し過ぎる雰囲気」は出さないように心がけています。他にも、「1度話したら、話しやすくなる」ので、メンバーに限らず社内のスタッフにこちらから積極的に声をかけるなどして、話しやすい雰囲気づくりに努めています。
──産休、育休明けで変わったことはありますか?
育休明けの4月~7月までは2時間の時短勤務をしていたのですが、今は30分の時短に切り替えたので、フルタイムに近い形で働いています。これは「業務的に中途半端になるのが嫌」という、自分の性格的なところを汲んでもらってのことです。2時間の時短だと、どうしてもメンバーたちとの時間の都合が合わないこともありましたが、今はその時間が確保できるようになりました。
仕事と子育て。違うミッションがあるから、どちらにも全力投球。

──産休・育休を取得する上で、不安などはなかったですか?
みんな優しく、産休や育休について理解がある人ばかりの環境です。ただ、営業部での産休・育休の事例は少なかったため、不安もありました。特に私の場合は「産休・育休後も、元のやりがいある仕事に戻りたい」という願いが強かったので、事前にその希望を伝えていました。そのときに本店長から、「気持ちは受け止めるし、希望が叶うようにします。でも子育ては、未知の領域です。もし何か想定外のことがあったら、何でも相談してください」という力強い言葉をいただいたので、心がスッと楽になりました。また、「相談しやすい環境で働けている」ことが心の底から理解できたので、不安もなくなったことを覚えています。そして希望通り、スムーズに職場復帰できました。
──子育てをしながらの課長職の大変さや、子育ての楽しさについてお聞かせください。
子どもの送迎を家族がしてくれたり、面倒を見てくれたりする環境が整っていることもあって、大変に感じることは今のところ少なく、安心して仕事に集中できる状況です。会社として、「キャリアを積みたい」「プライベートを重視したい」という、いずれのスタンスに対しても応援する風土なので、どんなタイプの方でも働きやすいと思います。子育ての楽しさについては「可愛い」の一言です(笑)。成長が早く、「昨日は無理だったことが、今日はできるようになった」という日々が楽しくてしょうがありません。
そして、子育てと仕事を両立しているからこそ、しみじみと感じるのが「職場に戻って良かった」という思いです。例えば「子育てだけ」だと、どうしても「子どもといる時間に、スマホを操作する」ということも出てくると思います。しかし、2つのミッションがあることによってメリハリが付き「せっかくの子どもとの時間を、一秒でも逃したくない」という気持ちになります。そして会社にいるときは、「仕事モード」に切り替わって集中できるので、両立していることで双方が相乗効果を生み出し、良い張り合いになっています。
産休・育休を自然とフォロー。女性の働きやすさが、加速している職場です。

──会社としての、産休前と育休明けのサポート体制について教えてください。
「応援する社風」は強いですね。特別な制度があるというよりは、きめ細やかにサポートをしてくれる風土が根付いているのを実感します。たとえば、「お腹が大きくなってからは、外回りから、社内業務に調整してくれる」など、自然とフォローしてくれる環境です。ちなみに、制度については今後さらに営業部の女性が増えることによって、どんどんと変わっていくことが予想されます。会社の方針として、現在進行系で職場環境が改善されている最中です。たとえば、営業部では1案件に対して「主担当と副担当」という2人で進める体制になっています。そのことで、「産休や育休で現場を離れていても、もう一人が責任を持って担当。復帰後は、また主担当に戻る」という形なので、安心して任せられる体制です。「自分の案件は、全部見届けたい」というのは、営業の本能的な部分だと思うので、そうした体制はありがたいですね。
──これから入社する女性の方に対して、メッセージをお願いします。
建築業界は、まだまだ女性が少ないですが、一方で「女性の働きやすさ」が加速度的に進んでいる業界でもあります。その分、活躍する環境や舞台が整ってきていると言えるでしょう。当社では「バリキャリで頑張りたい」「ワークライフバランスを大切に」の、いずれの考え方も尊重し、自分に合ったスタイルで働くことができます。様々な価値観を持つ社員が集まることで、組織も多様化して発展すると思います。ぜひ、一緒に頑張りましょう。