「1棟まるごと」携わるからこそ、味わえる醍醐味。全体を見渡し、コミュニケーションを武器に流動的な現場を推進する。

もともと建築が好きで、大学でシステム工学を学んだ後、2024年に入社した生田さん。現在は施工管理の係員として、品質・安全を守る最前線で活躍されています。今回は生田さんに、髙松建設の施工管理ならではの「1棟まるごと施工を担当する醍醐味」を伺いました。


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材料検査で「品質」を守り、危険箇所の見える化などで「安全」を徹底する。

──施工管理として、現在の業務内容を教えてください。

施工管理には「品質・安全・工程・原価」の4大管理があり、現在は主に「品質」「安全」を担当しています。品質管理では材料検収(納入された建築資材が、発注時の契約内容や設計図書に適合しているかの確認作業)を行います。材料が現場に入った後に写真で記録に残したり、スケールを使って寸法を測ったりすることは重要な作業です。また、協力会社の作業進捗を見極め、工事の進行を妨げないように的確なタイミングで記録をとるには、現場の動きを常に把握しながら動く判断力が求められます。安全管理の具体例としては、危険箇所にピンクリボンを設置するなど「見える化」の徹底があげられます。日本語だけではなく、絵表示や英語表記の掲示物も活用することで、施工に関わる全員に伝わるように安全を確保しています。

──「1棟まるごと仕上げる」上で、どのような役割を担っておられますか?

前提として施工管理は協力会社の動きやスケジュールなど、「現場全体を把握すること」が求められます。所長が全体の工期を作成し、係員は遅れやコストの無駄がないように必要な資材や人員を手配します。私の具体的な業務としては「品質」「安全」の管理が中心ですが、特定の工事領域において打ち合わせから工程管理までを一手に担うこともあります。「担当工種」と呼ばれる職務です。過去に「外壁の吹付塗装」を任されたことがありました。コンクリートを打設後に下地を整え、そこに吹き付け仕上げを施す作業です。

工事中は周囲が立ち入り禁止になるため、工程に支障が出ないように、所長や他の協力会社と調整を重ねました。職人の方々に「どう進めたらやりやすいですか」と積極的に確認しながら推進しました。私の強みであるコミュニケーション力を活かすことができたと思います。外壁の吹付塗装は、工事の最終局面である「足場の解体」のときに初めて仕上がりを確認できます。その瞬間には感慨深い気持ちになりました。

求められるのは、臨機応変な行動や調整力。大変さとやりがいは表裏一体。

──大変に感じるのは、どのような点ですか?

現場全体を見渡して円滑に運営していく必要があるため、調整に苦労することもあります。さまざまな工事が連携して進む流動的な現場だからこそ、状況を見極める力が求められるのです。例えば、専門が異なる協力会社の工程が干渉するケースです。コミュニケーション力を武器に、双方の要望を汲み取りながら最善の形になるように努めています。また、「図面と実際の空間認識の違い」をイメージする大変さがあります。先日、更地の現場に配属になったのですが、なにもない状態から建物を思い描くのは、まだ経験が浅い私にとって容易ではありません。BIMという3Dツールなどを活用しながら、毎日少しずつ理解を深めています。

──やりがいについて教えてください。

計画通りに工事が進んだときや、臨機応変な対応が成果につながったときにやりがいを感じます。そのために欠かせないのが「事前の計画」です。机上で検討できる部分もありますが、図面だけでは現場の状況はわかりません。実際に足を運び、現地の寸法を測ることが大切です。印象に残っているのは、日照権の影響で最上階に傾斜が生じた建物での経験です。本来、建築は水平と鉛直(垂直方向)が基本ですが、傾斜部分では鉄筋が斜めに伸びる状態になります。

自ら現地に赴いて寸法を計算した上で図面を作成し、協力会社に事前に共有しました。鉄筋とコンクリートのかぶり(適正な間隔)が保たれないと構造上の問題が生じるため、慎重に対応しました。初めて対応する建築構造でしたが、コンクリート打設後に無事仕上がりを確認できた際の達成感は、今も鮮明に残っています。現場では計画通りに進まない事態も発生しますが、「臨機応変な対応」を迫られる苦労と、乗り越えたときのやりがいは、表裏一体です。

──「臨機応変な対応」で覚えているエピソードはありますか?

コンクリート打設は、品質と安全の両立が求められる重要な工程です。特に夏場はコンクリートの硬化が早く、分単位での厳格な時間管理が求められます。スケジュール通りに進める一方で、職人の方々の熱中症を防ぐために「ミキサー車の入れ替えのタイミング」などを見計らい、必ず水分補給や休憩を促すなど「臨機応変な対応」が欠かせません。また、コンクリートの打設ペースが速すぎると型枠が外れる可能性があるため、協力会社との連携によるペース管理も重要です。最初に担当した10階建ての現場でも、作業の階が上がるごとにコンクリート打設の時間管理が厳しくなり、想定通りには進みませんでした。しかし、臨機応変に対応し続け、達成したときの充足感は格別でした。

お客様から発せられる、何気ない本音が嬉しい。自らの仕事の意義を再認識する瞬間です。

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──竣工したときにはどんな気持ちになりますか?

引き渡しの日に、施主様から「良い建物をありがとう」と笑顔で言っていただけたときが最も報われる瞬間です。営業から設計、施工管理へと続く一連の流れが実を結ぶ大きな節目です。引き渡し後もサポートは続きますが、会社としての成果が形になる一段落といえます。また、工事中は足場があるので、建築物の全体を見る機会はありません。足場が解体され、外観が現れたときに「1棟を完成させた」という実感が湧いてきます。

また、引き渡し直前の「施主検査」の際の反応にも喜びを感じます。部屋のドアを開けた瞬間にこぼれる「綺麗」「凄い」という一言こそが、「本音で満足して頂けている」と実感できるからです。以前担当したマンションでのエピソードも記憶に刻まれています。施主様からの要望で、1階に完全防音にした集会室を設けました。引き渡し後にグランドピアノが設置され、実際に歌声を聴くことができる機会がありました。嬉しそうに歌っている女性の姿を拝見し、建物がこれから使われていくのだと実感しました。自らの仕事の意義を深く再認識した瞬間です。

──今後の目標を教えてください。

直近と将来で、2つの目標を掲げています。1つ目は、段取り・事前計画の精度を高めることです。施工管理として、良い建物を作ることや4大管理の徹底は当たり前だと考えていますが、加えて「仮設計画」の精度を上げることが直近の目標です。現在配属されている現場で、どの工事がどのタイミングで必要になるかを事前に確認し、無駄なく段取りすることを目指しています。これは、工事を進める上で欠かせない要素です。

2つ目は、早期に所長になることです。ただし、所長になることは通過点と捉えています。お世話になってきた所長の方々に少しでも早く追いつきたいです。そのために重視しているのが「代理経験」です。自分が経験していないことでも、上司や先輩の経験を聞くことで自分の知識を蓄積しています。知識を吸収し、所長になった際には自分で一から計画し、良い現場運営ができるようになることが将来の目標です。